5月定例会活動報告・パートⅢ(第2546号)


5月24日(日) 悠久の森づくりを目指す橋本林業・視察研修会編


 徳島県那賀町で5世代に渡って悠久の森づくりを目指してきている橋本林業への視察研修は、救援隊が開催している「森づくりの若きリーダー養成講座」の初年度のメイン講習の一つとして訪問した2022年11月以来のことでして、今回が2回目となりました。

 この4年間の間に、橋本山はどんな変化を起こしているのか・・・
 期待と興味を持っての参加でしたが、その結果は結論から申しますと何ら変わりありませんでした。

 悠久の森は、正しく悠久の森。
 草木の1本1本まで見守られるように、有りのままの姿を保っておりました。


 そんな悠久の森を護る橋本一家に、心より敬意を表しながらの報告とさせていただきます。

森づくりは道づくりから・・・


 「林業を生業としていく中で、多種多様な動植物を育む豊かな森づくりを目指していくためには、山に過度な負荷を掛けない道づくりが基本」と、おっしゃる橋本光治さん。


 100ha余りのスギを主体とした人工林の中には主幹や支管となる作業道が、30キロにも渡ってまるで毛細血管のように張り巡らされておりますが・・・

 悠久の森となっている橋本山には、凛として佇む針葉樹や広葉樹が調和し混在する中、高さ1.4m。道幅2.2mの垂直切りの作業道が違和感なく溶け込み、森の中に一体となって馴染んできておりました。


 その作業道づくりについての説明ですが・・・
 入口付近の岩盤処理が一番大変だったそうで、「これを乗り越えられれば、何だってできる!」位の意気込みでのチャレンジだったそうです。

 入口の小川に掛かる鉄板の橋も橋本さんの手作りだそうで、森づくりの初期の段階の苦労が今の森づくりの基礎となっている・・・と人生論に例えてのお話も、研修生の心に伝わるものとなったのではないでしょうかねぇ。


 道づくりの基本は、何と言っても水対策。
 作業道や山腹崩壊まで起こしかねない沢沿いの道は、特に神経を遣います。
 洗い越しと言われる工法には、自然の木の根や間伐材の基礎組でしっかりと補強するとともに水の抜け道にも気を使っての施工が施されています。


 水の流れを緩やかにして路肩の崩落を防ぐためには水の通り道を何処にするか・・・も大事なテーマの一つとなってきます。
 道に対して直角の通り道を作るのではなく、緩やかなカーブを描くように流すことによって水の勢いも緩めることができます。
 
 また、路肩崩落の防御と言えば・・・
 堅固な道づくりの施工は言うに及びませんが、自然に育つ木の根の役割も大きいものがあります。
 この杉の木からは新たな根っこが生えてきて、朽ち始めてきていた横木を抑え込んでくれておりました。


 谷沿いには、一般的にはU字工やヒューム管による排水対策が施工されますが・・・
 その工法では、管が詰まってしまったら水の行き場がなくなって山腹崩壊にも繋がってしまいます。
 作業道の上にも水の通り道を作ることによって、大水が出ても最小限の被害に抑えることができるそうです。

 現に、作業道の上は小川状態で水が流れておりましたが、作業道の大きな破損はなく車の通行には全く支障がありません。


 この切り株の樹齢は100年余りですが・・・
 さらに奥にあったこちらのスギの大木は一体何年経っているのでしょうか・・・、大人二人が手を回しても届かないサイズとなっておりました。


 植林されたスギやヒノキと自然木とが混在する森には、もはや人工林という感覚はなくて正に天然林(自然林)という風格が漂ってきており、畏敬の念をも抱かされる存在となっておりました。

 4年前にここを見学させてもらった時に感じた悠久の森の雰囲気や佇まいが、今なお草木の1本1本にも変わらず存在していることに感動させられた研修会となりました。

 
 曾祖父の時代からの想いも受け継ぎながら護ってきた大切なこの宝の山を、子や孫たちにもしっかりと引き継いでいきたいとおっしゃる忠久さん。(右はお母さまの延子さん)
 控えめな口調ながらも、橋本山の森づくりの手応えと確信、そしてその遂行への力強さを感じさせられた事務局長でございました。

 取り敢えず、私のからの報告はここまでとさせていただきます。
 次号からは、研修生の皆さんによる感想編をお届けさせていただきますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたしますね。😀

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