令和7年度・こうち森林救援隊活動実績報告(第2539号)


2025年度は207回(延2,563名)の活動を展開


 2005年1月、鏡川の源流域に広がる人工林の整備を始めとした森林環境の保全や林業の再生、中山間地域の振興を目的として設立された救援隊ですが、近年では設立当初の目的に加えて2011年3月の東日本大震災の教訓からも学び、環境保全の目的だけでなく防災対策面や地域コミュニティ確立のための支援も兼ねた川下における里山の環境整備活動にも精力的に取り組んできております。

 昨年の1月には丸20年の節目を迎えて、企業や行政などの関係者からの祝福もいただきながら20周年を祝う祝賀会が盛大に開催されましたが、それも通過点に過ぎず活発な活動は22年目を迎えることとなりました。

 2025年度の活動実績は、平日活動部隊(通称:オンちゃん部隊)による春野総合運動公園の公園管理委託業務を主体とした平日活動だけでも162回(延1,607名)に上り、本隊による定例会活動も含めると全体では207回(延2,568名)に到達しています。
 中でも特記すべき活動は、高知県や高知市を始めとした関係行政機関と県内外の環境先進企業との協働の森づくり活動の進展であります。


4者のパートナーズ協定に基づき進められている協働の森づくり
(2025年9月:野市総合公園)


 中でも、(株)四国銀行と高知県や香南市との4者によるパートナーズ協定(2021年2月12日締結)に基づき進められてきた「県立野市総合公園」での協働の森づくり活動は、第2期(2023年4月~2026年3月)を終えて4月からは第3期へと入ることとなり、県民の財産である県立公園の環境整備に寄与するばかりか「のいち動物園」を始めとした周辺地域全体の環境整備への意識の高揚にも繋がってきているなど、地域住民からも大きな期待を寄せられているところです。


初めて締結された竹林整備での協働の森づくり協定の調印式
(2025年5月:高知県庁)


 更に、7年度においても(株)ミロクテクノウッドや高知県、南国市、そして救援隊の4者による竹林整備の協働の森づくり事業にも関与させていただき、県内の荒廃竹林の環境整備に向けて一筋の光明を灯すことができております。
 このように、救援隊の規範の活動となる協働の森づくり活動は、大きな飛躍を見せてきているところです。

 また、国土緑化推進機構の「緑の募金公募事業」をメインとして、(株)四国銀行や井上石灰工業(株)、Ⅿ&K(株)などの環境先進企業、そして2025年度からは新たに禅師峰寺(四国霊場・第32番札所)からのご支援も受けて2022年7月からスタートさせている「森づくりの若きリーダー養成事業」は、2025年度(2025年7月~2026年6月)も主に大学生や地域おこし協力隊などの若者を対象として、事業内容のグレードアップも図りながら着実に遂行されております。


2022年7月から始まっている森づくりの若きリーダー養成事業
(2025年12月:四万十市での出張研修会)


 この事業は、次世代の森づくりを託せる若者たちの養成を目指しているものですが・・・
 2022年度(2022年7月~2023年6月)には21回の講座に延90名、2023年度(2023年7月~2024年6月)は43回の講座に204名、2024年度(2024年7月~2025年6月)は43回の講座に204名、本年度おいても3月末現在で68回の講座に延169名が受講してくれており、まだまだ拡充されるべき課題は抱えつつも林業関係の分野で働いてくれる若者の育成にも繋がってきているなど、今後の展開に大いに期待を寄せているところであります。

Ⅰ 環境保全活動

 
 2025年度の活動は、平日活動部隊(通称:オンちゃん部隊)による春野総合運動公園の公園管理委託業務を主体とした平日活動だけでも147回(延1,343名)に上り、本隊による定例会活動も含めると全体では196回(延2,386名)に到達しました。


春野運動公園での植込みの草取り整備(2025年10月)

 
 高知県スポーツ振興財団からの事業委託を請けて進められている春野運動公園での竹木類の除伐採や下草刈り及び低木街路樹等の剪定整備は、本年度だけでも50回(延576人役)実施されました。
 救援隊の目指している施設利用者からも愛され、県民の財産を守ることにも繋がる美しい運動公園づくりは着実に遂行されています。

 また、春野運動公園での整備以外にも人が立ち入ることさえ困難となっていた多くの里山の整備にも従事することにより、景観の保全ばかりでなく南海大地震などの緊急時において命を守るための避難場所としての整備にも貢献してきています。

Ⅱ 林業の再生

 
 林業の再生は木材の利用促進が基本と捉え、先人の汗の結晶で貴重な木材資源ともなる除間伐整備後の間伐材は、可能な限り搬出し川下での利用促進に努めています。


杉谷山での除間伐整備では、間伐材の搬出研修も実施(2026年3月) 


 良質材については建築用材として活用するため市場への流通を目指すとともに、曲材や端材等についても木質バイオマスとしての資源やチップ材、そしてシンプルな薪材等としての活用も図るなど、新たなエネルギー資源としての利・活用法について、その検証にも努めています。

Ⅲ 中山間地域の振興


 これまでTOTOや四国銀行、井上石灰工業を始めとした環境先進企業や行政機関などとの連携のもとに、毎年のように春と秋には土佐山地域等にて植樹祭を開催するなど、中山間地域の活性化にも寄与してきました。


大盛況だった新年会&交流会(2020年1月)

 
 また、梅ノ木公民館を利用しての宿泊型のボランティア活動も15年間続けてきましたが、拠点施設であった梅ノ木公民館が建て替えとなり、従前のような宿泊施設としての利用ができなくなったことから残念ながら中止状態が続いています。

 更に、毎年梅ノ木地区で開催されている八坂神社の秋祭りには、大太鼓担ぎや槍持ちなどのお手伝いとして参加させてもらうなど地域の伝統行事や文化を守っていくための活動にも力を注いできました。


楽しかった梅の木地区の秋祭り(2019年11月)


 しかし、こちらも秋祭りの行事には参加できておらず、残念ながら地域との関係を復活させることはまだできていませんが・・・
 新年度こそは、こうした交流を何とか復活させていきたいものですよね。

Ⅳ 行政や企業との連携

 
 救援隊では、土佐山運動公園裏山(高知市有林)での人工林の整備や、春野総合運動公園や野市総合公園、筆山公園などの公園の環境整備にも、ボランティアとして積極的に関与しています

 また、高知市が高知放送の「24時間テレビ事業」と協働で進める防災対策の一環としての里山整備事業にも協力いたしました。


24時間テレビ事業によるノツゴ山での 避難路整備活動(2026年2月)


 令和7年度の高知放送「24時間テレビ事業」からは、ノツゴ山西斜面への避難路の敷設活動への応援を受けることとなりました。

 救援隊が高知市や高知放送からの委託を請けて、5回(52人役)に渡って整備してきた避難路に階段を敷設していくイベントが、南海中学校の子ども達を招いて開催され、24時間テレビのチャリティ活動としてテレビ報道もされました。

 元々学校教育の取り組みもあって環境問題への意識の高い子ども達でしたが、このイベントを通して更なる意識の高揚に繋がるものとなったようで、意義ある取り組みとなりました。


運動公園西入り口の植込みの剪定整備(2025年9月)


 高知県スポーツ振興財団からの委託事業として整備されている春野運動公園では、平日活動部隊(通称:オンちゃん部隊)による整備活動が行われました。

 令和7年度は、50回(延べ576人役)の活動を行い、竹林や雑木林の除間伐整備を行うとともに桜やモミジの養生の為の下草刈りや低木街路樹の剪定及び下草刈りも実施するなど、春野運動公園の景観保全と施設管理にも貢献してきました。


7年度の仕上げとなった下草刈り(2025年10月)


 (株)海昌との協働の森づくり事業として始められた鳥坂山(長浜)での「美しい里山づくり」事業は、雑木類の除間伐整備や伐採後の林内への桜やモミジの植樹も終えて、今や地域からも愛される「命を守れる美しい里山」として見事に変貌しています。

 令和7年度の事業では、遊歩道や植栽されている桜やモミジなどの苗木の養生のための2回(20人役)の下草刈り整備を進めるなど、景観保全に努めています。


ノツゴ山での地域住民の命を守る避難路整備(2025年5月)


 地域住民も含めた行政との協働事業としては、梶ヶ浦防災会(長浜)との里山整備があげられます。
 もしも南海大地震が発生すれば、真っ先に襲ってくることが想定されている大津波から地域住民の命を守るための避難場所となっている裏山の整備です。

 本年度も春と秋の2度(6回:延41人役)に渡って避難路周辺の下草刈り整備などを実施、環境美化に努めるとともに地域住民の命を守る活動にも寄与してきました。

 禅師峰寺ではお遍路さん奉公としての竹林整備とともに社務所前の階段を崩し始めていた大杉などの伐採にもチャレンジ
 大型クレーンを2台もレンタルしての大掛かりな作業となりましたが、何とかクリアーすることに成功、お寺の関係者からも感謝される事業となりました


境内での広葉樹の伐採整理は気の抜けない作業の連続となりました(2026年1月)


 禅師峰寺ではお遍路さん奉公としての竹林整備とともに境内の広葉樹の伐採にもチャレンジでした。
 クレーンやユニックなどの大型重機を使っての作業はできない境内内での伐採作業でしたが、空師の応援も受けて何とかクリアーすることに成功、お寺の関係者からも感謝される事業となりました。


県内の放置竹林整備の起爆剤としても期待される事業となっております
(2025年10月)


 また、禅師峰寺での竹林整備は除伐採される孟宗竹をミロクテクノウッドや東海理化が共同開発している自動車用部品の新素材として活用させるためのモデルケースとしても進められています。
 従来のプラスチックに代わる新素材として活用されるもので、環境にも優しくSDGSに貢献するとともに未整備竹林の整備にも繋がる画期的な事業となっており、救援隊としても大きな期待を寄せているところであります。


四国銀行の皆さんにはヒノキの除間伐体験も行っていただきました
(2025年9月)


 救援隊の設立(2005年1月)以来継続されている(株)四国銀行との協働の森づくり事業では・・・
 のいち動物園に隣接する「県立野市総合公園」にて、高知県や香南市も含む4者のパートナーズ協定(2023年4月1日付で3年間の更新延長)に基づく協働の森づくりとしての里山整備が進められています。

 6年目を迎えることとなった本年度は、2回(延107名)の協働活動を実施、県民の財産である県立公園の施設整備にも貢献してきました。
 その活動は、龍河洞スカイラインを散策中の方々からも注目を浴びることとなっており、数多くの激励と感謝の言葉もいただいているところです。


四万十モリモリ団の視察研修会は広葉樹林の整備研修となりました
(2025年12月)


 2022年7月から国土緑推の「緑の募金公募事業」の助成を受けてスタートしている「森づくりの若きリーダー養成事業」では。四国銀行や井上石灰工業、(株)Ⅿ&Kに加えて新たに禅師峰寺からの支援もいただけることとなり、研修内容も更にグレードアップさせて運営されています。
 本年度も年度途中(事業期間は2024年7月~2025年6月迄)ながら、既に68回の講座を開催しており、延169名の受講生の参加を得ています。


BANBOO+はじまりの森(南国市有林)から
(株)ミロクテクノウッド赤岡工場へと搬送・搬入されている孟宗竹
(2025年7月)


 その他、県内の未整備竹林の救世主となるかも・・・と期待されている動きが、(株)ミロクテクノウッドと(株)東海理化によって共同開発されているプラスチックに代わる新素材となる自動車部品の開発・商品化の動きです。

 破砕した孟宗竹と樹脂を融合させて、従来のプラスチック製に代わる自動車用部品を製品化していくというもので、環境への負荷も軽減されるとともに素材生産の過程で未整備の竹林の整備も進めて行けるという前衛的且つ画期的な提案でして、2025年5月には竹林整備での協働の森づくりとしてもスタートいたしました。 

 そのパートナーの一員でもある救援隊としては、孟宗竹の採材と搬入に努め事業の成功に協力するとともに県内の未整備竹林の環境整備にも貢献しております。


行政や企業、ボランティアが大集合の筆山公園整備(2026年1月)


 この他、行政機関からは補助金事業としてのバックアップ支援を受けるとともに関係機関との連絡調整やフィールドとしての公有林の提供や公共施設の利用等の便宜を受けています。
 そして、企業からは活動資金への支援やボランティア活動への積極的な関与・協力を受けるなど、7年度においても筆山公園整備にも象徴されるように三者による協働の取り組みは着実な拡がりを見せてきています。

 このように、企業や行政、地域住民との協働に向けての動きは、救援隊の進める行政や企業そしてボランティアや地域住民との未来に繋がる「協働の森づくり」を支える大きな柱の一つとなってきています。

Ⅴ ボランティアのネットワークづくり


アジロ山「森のようちえん」イベントも応援(2025年11月)


 アジロ山の自然と環境を守る会が毎月実施している「森のようちえん」イベントの応援など、他団体との協働活動や交流にも積極的に関与しています

 また、企業内ボランティア団体である四国銀行森林サークルとの「絆の森」での協働間伐や新たに始まっている「県立野市総合公園」での協働の森づくりとしての里山整備、更には新規発足を目指しているボランティア団体等への研修対応の受け入れなどにも力を注いでいるところです。


春野町の竹林で開催されたチェーンソー講習会(2025年12月)


 2015年度から高知県シルバー人材センター連合会からの要請にお応えして、毎年のように開催している刈払い機やチェーンソーの取扱い安全講習会。
 令和7年度においても、高知市シルバー人材センターの会員を対象とした刈払い機やチェーンソー講習会を2度開催、20名の地域の環境を守る新たな担い手を送り出すこととなりました。

Ⅵ 広報・宣伝活動


 救援隊の活動については、これまでテレビ高知の「頑張れ高知!eco応援団」を始めとしたテレビやラジオ、新聞、各種季刊誌などで毎年の様に取り上げられてきました。


5年度養成講座受講中の大学生や地域おこし協力隊のメンバー (2023年12月)

 更に、独自に発信しているインターネットのブログ情報では救援隊の活動状況の詳細を掲載(2008年2月~2026年3月末現在で2522号を発信)するとともに、事務局長個人のFBなどでも救援隊の活動情報の発信に努めているところであります。

 最近では、このブログやFBなどのインターネット情報を基とした新しい仲間の増加が目立ってきています。 
 令和7年3月末現在の隊員数は94名(1年間活動に参加できなかった隊員は除外中)だが、女性の割合は27名(28.7%)となっています。

Ⅶ 最後に・・・

 
 救援隊の設立は2005年1月のこと。
 昨年の1月には丸々20年を迎えることとなりましたが、積み重ねてきたこの20年間余りの実績は大変意義深いものとなっており、我々にとって大きな自信に繋がるとともに現在の救援隊活動の原動力の一つともなっています。

 新年度においても、救援隊設立頭書の主旨や目的を忘れることなく、隊員一同想いを一にして「市民の森づくり事業」を推し進めていく計画となっています。

 
 皆さま方の更なる熱いご支援をお願いいたしまして、令和6年度の活動実績報告とさせていただきます。
 今後ともよろしくお願いいたしますね~!😀

事務局長 中川睦雄

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